予防接種
予防接種とは?ワクチンとは?
ワクチンと呼ばれる薬剤を接種することによって、感染症にかかるリスクを下げたり、感染時に症状が重くなるリスクを下げることができ、これを予防接種と呼びます。
ワクチンには身体の免疫(=菌やウイルスと戦う力)を誘導する働きがあり、以下のような種類があります。
生ワクチン
(BCG、麻疹、風疹、水ぼうそう、おたふく、ロタウイルスなど)
生きたウイルスや菌の病原性を、極めて小さいレベルに弱めたワクチン。
実際の感染に最も近い反応が起きるため、接種回数は少なめで済みます。
免疫を作る反応が互いに干渉するおそれがあるため、生ワクチン同士は1ヶ月ほど接種間隔を空ける必要があります。
不活化ワクチン
(肺炎球菌、ヒブ、B型肝炎、百日咳、ポリオ、日本脳炎、HPV、イン フルエンザなど)
ウイルスや菌の病原性を完全になくしたワクチン。
生ワクチンに比べて免疫の反応が弱いため、十分な免疫を誘導するには基本的に複数回数接種する必要があります。
一方で、ワクチンの接種間隔は短くても問題ありません。
トキソイドワクチン(破傷風、ジフテリア)
菌が作り出す毒素をターゲットに免疫を誘導するタイプのワクチンです。
メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン(新型コロナウイルス)
mRNAはたんぱく質を細胞で合成するための設計図です。
ウイルスなどの病原体の一部を構成するたんぱく質の設計図(=mRNA)を身体に投与することで、身体の細胞がウイルスのたんぱく質を合成し、これをターゲットに免疫が誘導されます。
実用化されているのは新型コロナウイルスのもののみですが、インフルエンザウイルスやRSウイルスを始めとした様々な病原体に対するmRNAワクチンが現在開発中です。
いつから予防接種を受けたほうがいいの
2か月になったら開始しましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんにはお母さんからもらった抗体(免疫を担うたんぱく質の一種)が残っているため、比較的感染症にかかりづらいと言われています。
その一方で、その免疫では完全に守りきることができない上に、かかってしまうと極めて重篤な症状をきたす疾患がいくつか存在します。
神経系に後遺症を残しやすい肺炎球菌やヒブによる細菌性髄膜炎や、突然の呼吸停止を引き起こす百日咳などがこれにあたります。
これらの危険な感染症から赤ちゃんを守るために、予防接種をしていく必要があります。
予防接種で風邪をもらうことがあると聞きましたが…
当院では感染症対策として、一般の外来と予防接種・健診のエリアを入口の時点から分離しています。
予防接種に来られた方が、発熱等の症状がある患者さんと接触することはありません。
また、換気や消毒を徹底し、安心して予防接種・健診が受けられる環境になっています。
定期予防接種・任意予防接種とは
定期予防接種
予防接種法に基づいて市町村が主体となって実施する予防接種(公費負担:自己負担なし)
任意予防接種
希望者が各自で受ける予防接種(一部自己負担あり)
定期・任意と区分は分かれていますが、どのワクチンも子どもにとってメリットが大きいものになっています。
定期接種はもちろんのこと、任意接種も基本的に受けていただきたいと考えています。
受け忘れていた場合
気づいた時点でご相談下さい。
推奨されている接種タイミングや接種間隔でなくても、しっかりと回数を受ければ基本的には効果が期待できます。
途中まで打っていたものを最初から受け直す必要もありません。
具体的なスケジュールを一緒に考えていきますので、気軽にご相談ください。
接種当日の体調がよくないとき
予防接種は体調が良い時に行うのが望ましいですが、多少体調が悪い状態でも予防接種の安全性や効果に変わりはありません。
ただ、接種後に発熱や嘔吐といった症状が出現した場合に、予防接種の影響なのか、何か別の病気の症状なのか、判断が困難となってしまうおそれがあります。
そのため明らかに発熱していたり、嘔吐やひどい咳などの症状がある場合は接種を控えたほうがよいでしょう。
判断が難しい場合は電話等で当院までご相談下さい。
最終的には接種前に医師が診察して判断いたしますので、その場で接種不可となってしまう可能性があることをご了承ください。
接種後に注意すること
まれに「アナフィラキシー」という重篤なアレルギー反応が起きることがあるため、初めて接種したワクチンがある場合は10分間院内で待機していただいています。
帰宅後も顔色や呼吸、皮膚などに異変があればすぐご相談下さい。
なお、注射した部位を揉む必要はないとされています。
また、当日の入浴は問題ありません。
当院で接種可能なワクチン
- Hib(ヒブ)ワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン
- 5種混合ワクチン
- 4種混合ワクチン(DPT-IPV)
- 3種混合ワクチン(DPT)
- 2種混合ワクチン(DT)
- BCG
- MR(麻しん風しん混合)ワクチン
- 水痘(みずぼうそう)ワクチン
- おたふくかぜワクチン
- 日本脳炎ワクチン
- HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
- インフルエンザワクチン
- 渡航ワクチン(A型肝炎、狂犬病、黄熱病ワクチンなど。事前予約が必要です)
任意接種(自費)の料金について
市川市外の方の予防接種について
千葉県内の方
千葉県では、定期予防接種の相互乗り入れを実施しています。
特別な手続きもなく、事前に疾病予防課へ連絡していただく必要もありません。
予診票と母子手帳があれば、当院での実施が可能です。
千葉県外の方
千葉県外の方は、住民票のある自治体に「定期予防接種実施依頼書」を発行していただく必要があります。
一旦、当院でお支払いをして頂き、自治体に定期予防接種の費用助成制度(償還払い)の申請をしていただくことで一部、または全額返金されます。
また、各自治体の還付申請の上限額が異なるため、還付申請の上限額が記載された自治体が発行した書類を持参してください。
※還付申請の上限額が記載された書類が無い場合は、当院の自費金額で実施することとなります。
還付申請の上限額を超えている場合は、自己負担金が発生する場合があります。
定期予防接種実施依頼書(依頼書)とは
指定医療機関以外で接種を受け、万が一健康被害が起きた場合、予防接種関連法令に基づく救済措置を各自治体が対応することを明記した文書です。
予防接種実施までの流れ
- 現住所の自治体で「定期予防接種実施依頼書」を発行
- 還付申請の上限額(自治体が発行した紙に記載されたもの)を取得
- 現住所の「予診票」と「定期予防接種実施依頼書」、「還付申請の上限額が記載された紙」「母子手帳」を当院に持参
- 当院で実施の際に、支払いが発生
- 各自治体で定期予防接種の費用助成制度(償還払い)の申請、返金
各自治体で対応が異なる場合があります。
事前に当院までご相談ください。
来院時の注意点
お子様が予防接種を受ける際は、原則として保護者(親権を行う又は後見人)の同伴を必要としますが、何らかの理由により同伴できない場合は*親族等(祖父母等)が同伴し予防接種を受けることができます。