スギ花粉症の季節がやってきました
花粉症の方には今年もつらい季節がやってまいりました。
2026年春の花粉飛散量は、全国的に過去10年の平均を上回り、特に北日本・東日本で大量飛散となる見込みです。主な原因として、2025年夏の猛暑(高温・多照・少雨)によりスギの雄花形成が促進されたことがあげられます。今年のスギ花粉は2月上旬に九州・東海から飛散を開始し、2月中旬〜下旬に全国へ広がる見込みです。
子どもの花粉症について
子どもの花粉症は珍しくない!
近年、スギ花粉の増加に伴い、子どもの花粉症も増えています。アレルギー性鼻炎ガイド(2021年版)によると、スギ花粉症をもっている子どもの割合は、0〜4歳で3.8%、5〜9歳で30.1%、10〜19歳で49.5%です。
花粉症はアレルギー性鼻炎の一種で、遺伝の要素も関係していますが、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患がない子どもでも、突然花粉症になることがあります。これは、環境の影響も大きいと考えられています。
花粉症の一番つらい症状は鼻詰まり
花粉症の症状には鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどがありますが、子どもが一番つらいと感じるのは鼻づまりだというアンケート調査が報告されています。子どもの鼻腔(鼻の空気が通る道)は大人より狭く、軽い症状でもすぐに鼻が詰まってしまいます。
花粉症の症状が続くと、集中力の低下や睡眠の質が悪くなることにもつながり、日常生活に大きく影響します。
次に、スギ花粉症についてどのような治療や対策があるか説明していきます!
花粉症の治療方法
大きく分けて薬物療法と舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)の2つがあります。
薬物療法
抗ヒスタミン薬などを用い、鼻水などの症状を緩和します。点鼻薬や点眼薬も効果的です。お子様の年齢や症状に合わせて、眠気の少ない内服薬や点鼻薬などを処方いたします。
ここでポイントなのが、花粉が本格的に飛び始める前からお薬を飲み始めることが、最も効果的です!あらかじめお薬を血中に取り込んでおくことで、ヒスタミンが暴れ出すのを未然に防ぎ、シーズンを通しての症状を劇的に軽くすることができます。そのため、2月はじめのまさに今!からの受診がおすすめです!
舌下免疫療法
舌下免疫療法とは、体をスギ花粉(アレルゲン)に慣らすことで症状を和らげ、根本的な体質改善を目指す保険適応の治療です。
スギ花粉のエキスを錠剤にしたものを、毎日1日1回舌の下に投与し続けます。そうすることでスギ花粉に対して体が過剰に反応しなくなり、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど花粉症の症状を改善することができます。数年間にわたり(3年以上が推奨)継続して服用する必要があります。個人差はありますが、多くの方で症状の改善がみられ、長く続けることで8〜15年ほど効果が持続することもあります。
ただし、スギ花粉が飛んでいる時期に治療を開始すると、治療薬のスギ花粉エキスと飛散している花粉が足し合わさり、多くの花粉エキス(アレルゲン)が取り込まれることになります。よって副反応が強く出るリスクが高くなります。
そのため、治療はスギ花粉の飛散が落ち着いているときに開始します(6〜11月頃推奨)。
なお、治療開始当初に口内炎や口の中のかゆみなどが生じることがありますが、この症状は続けるうちに軽減されていきます。基本的には安全な治療法ですが、まれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性もあるため、はじめて飲む際は、クリニックで行い、30分ほど院内でご様子を観察させていただく必要があります。
舌下免疫療法(シダキュア)を始めるときの注意点
2年以内の採血結果が必要です
他院で行った際は採血結果をお持ちください。
当院でも採血は可能ですが、結果が出るまでに1週間程度かかります。
(6月からすぐに始められるように、採血は今の時期がおすすめです!)
対象年齢は原則5歳以上です
原則5歳以上ですが、医師の判断によって5歳未満でも可能です。不安な場合はラムネでできるか練習してみましょう!
開始時期について
シダキュアは基本的に6〜11月の花粉が飛んでいない時期に始めます。
その年などによって開始時期が前後することもあるため、シダキュア開始の際は改めてインスタグラムやブログなどでアナウンスをさせていただきます!
舌下免疫療法(シダキュア)の治療の流れ
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初回は院内で服用し、30分間経過観察をします
アナフィラキシーなどの重篤な副作用がないか確認するため、初回は院内で行います。 -
翌日から自宅で毎日服用
2回目以降は、自宅で毎日服用します。服用方法は医師や看護師から詳しく説明があります。 -
初回は低容量から開始
1週間低容量のものを服用し、1週間後にご来院いただきます。その後、通常量で1ヶ月分の処方を行い、継続をしていきます。治療開始後は、定期的に受診していただき、症状の経過や副作用の有無などを確認します。 -
以降は、毎月1ヶ月分の処方で継続
症状が安定すれば、オンライン診療での処方も可能です。長期処方のため、2ヶ月に一回は対面でのご受診をお願いしております。(連続してオンラインでの処方はできません)
家でもできるこどもの花粉症対策
できるだけ体内に花粉を取り込まないようにするために、「持ち込まない」「浴びない」ことが重要です!
メガネやマスクを着用する
子ども用の花粉防護メガネが販売されているので、安全の観点からもできるだけ専用のものを選ぶことをおすすめします。なるべく肌の露出を避け、ツルツルした服(木綿や化繊)を着るのも、花粉がつきにくくなるのでおすすめです。
ワセリンを鼻の下に塗る
ワセリンを塗った状態で花粉が鼻に侵入してくると、花粉がワセリンにくっついて割れにくくなり、中のアレルギー物質が鼻の中に飛び散りにくくなります。帰宅したら鼻をかんで花粉のついたワセリンを取り除きましょう。
花粉の飛散量が多い日は外出の自粛を検討する
晴れて気温が高い日、風が強い日、雨の日の翌日などは特に飛散が多くなるため、外出を控えてみても良いでしょう。
帰宅後に花粉を払い、手洗いや洗顔をする
外出先から帰宅したら、玄関に入る前に服や髪の毛についた花粉を払いましょう。室内にできるだけ花粉を持ち込まないようにします。その後はしっかり手洗いやうがいを行います。顔を洗ったりシャワーを浴びたりできるとさらにGood!
花粉が多い日は外に洗濯物を干さない
洗濯物に花粉が付着するのを防ぐため、花粉の季節はできるだけ室内に干すのがおすすめです。屋外に干す際は取り込む前にしっかり花粉を払いましょう。
部屋を適度に加湿してこまめに掃除する
部屋が適度に加湿されていると、花粉に水分が付着し、重くなって下に落ちやすくなります。これをモップなどでこまめに掃除すると、室内にある花粉をこまめに取り除くことができます。
空気清浄機を24時間稼働させる
空気清浄機を使うと室内の花粉の飛散を防ぐことができます。最近は花粉モードが搭載されたものや、加湿機能を備えたものもあります。
まとめ
花粉症の方々にとって、花粉の季節はとてもつらく、日常生活もままならない日もあるかと思います。スギ花粉症は「早めの対策」と「適切な治療」でつらさを大きく減らせる病気です!「毎年花粉の季節がつらいのは仕方ない」と我慢せずに、症状にあった治療や生活対策を取り入れて春を少しでも快適に過ごしましょう!
