多汗症について
こんにちは!
アクアキッズクリニック市川院です!
手汗や脇汗などに困ったことはありませんか?
紙を持ったり、文字を書いたりする時に紙が手汗によって濡れてしまう。
友達と手を繋いだときに相手に不快感を与えてしまうのではないかと心配になったり、
脇汗が気になって着たい服が着れなかったりなど、日常生活を送るうえで困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
多汗症は適切な治療を行うことによって症状を抑える、軽減することができます。
今回のブログでは、多汗症について説明していきたいと思います。
【そもそも多汗症ってなに?】
多汗症とは文字の通り「異常に汗を多くかいてしまう病気」です。日常生活に支障をきたすほどのたくさんの汗が出てしまう状態をいいます。
汗の量や程度は人によってさまざまです。汗で手がふやけてしまったり、皮膚がむけてしまったり、湿疹ができたりすることもあります。また、汗で長時間湿潤した皮膚は、あせもができやすく、皮膚がふやけて表皮がはがれてしまうこともあり、真菌や細菌、ウイルスなどに感染しやすくなります。
季節では、冬は皮膚の血流量が低下するため発汗量は減り、夏は皮膚の血流量の増加時に汗の量が増える傾向にあります。
【どうして汗をかくの?】
汗の役割は「体温の調節」「湿度保持」「異物からの防御(免疫機能)」など大切な役割があります。
汗は、主に上がった体温を下げる働きがあります。他にも緊張やストレスで汗をかくこともあります。汗をかくと、汗の水分が皮膚で蒸発する時に周りから熱を吸いとり、皮膚の温度が下がります。汗は体温を下げ、体が熱くなりすぎるのを防いでくれます。
また、発表会やテストなど、緊張やドキドキハラハラなど精神的な興奮やストレスにより汗をかくこともあります。
【多汗症の種類】
多汗症は、原因の有無と汗が出る部位によって分類されます。
原因別では、特に原因がない「原発性(げんぱつせい)」と病気やお薬が原因の「続発性(ぞくはつせい)」に分けられます。
汗が出る部位では、全身に汗をかく(全身性)の方もいれば、手のひらや足のうら、脇など体の一部分(局所性)の方もいます。
参考)多汗症の種類について|手に汗ってなんでかくの?|みんなの手汗サイト|久光製薬
【多汗症で困っている人はどれくらいいるの?】
なかでも原発性手掌多汗症(明らかな原因がなく手のひらに汗が出る多汗症)の患者さんは国内で約493万1千人いると推計されており、決して珍しい病気ではありません。2009年に行われた日本の調査で、原発性手掌多汗症を発症している患者さんは、19人に1人いると報告されています。多くは10代頃に症状が現れ始めて、学校生活にも支障をきたしていることがあります。
【多汗症の診断基準】
多汗症状が6ヶ月以上続き、以下の6症状のうち2項目以上に当てはまる場合「原発性多汗症」と診断されます。
- 最初に多汗症状が出たのが25歳以下である
- 左右同じように汗をかく
- 睡眠中は発汗が止まっている
- 1週間に1回以上、多汗症状がみられる
- 家族に同じ症状の方がいる
- 汗のために日常生活に支障をきたしている
【多汗症の治療方法】
多汗症の治療は飲み薬、塗り薬、注射薬、手術などありますが、
当院では医師の診察の上、多汗症と診断された場合、塗り薬を処方することが可能です。
〜当院で処方可能な薬剤〜
・アポハイドローション:12歳以上の原発性手掌多汗症
1日1回就寝前に手のひらに塗るお薬です。
手のひらの皮膚から吸収され、皮膚の下にある交感神経から出される発汗を促す物質をブロックすることで過剰な発汗を抑えることが期待されます。
・ラピフォート:9歳以上の原発性腋窩多汗症
1日1回、1シートで両脇を一拭きするお薬です。
有効成分であるグリコピロニウムトシル酸塩水和物(ラピフォート)が、神経からの汗をだす指令をブロックすることで、過剰な脇汗を抑えることが期待されます。
・エクロックゲル:12歳以上の原発性腋窩多汗症
1日1回、両脇に塗るお薬です。
エクリン汗腺(汗をつくる器官)が交感神経から伝えられる汗を出す指令を受け取らないようにブロックすることにより、発汗を抑えることが期待されます。
【まとめ】
多汗症は適切な治療を行うことによって症状を抑える、軽減することができます。
多汗症の治療法の認知がまだ広がっていないために、学校生活や日常生活に支障を抱えたまま、汗で困っている方が大勢います。
汗をかくために周りの人の目が気になって、学校での生活や人との接触を避けるようになったり、うつなどを併発したりすることもあり、深刻な問題です。
汗のお悩みは羞恥心もあり、なかなか周りの人にも相談しにくい面があると思います。
多汗症のために病院を受診するのも少し勇気がいることかもしれませんが、まずは一歩踏み出して当院に気軽にご相談しに来ていただければと思います。
一人で抱え込まず、一緒に汗のお悩みを解決しましょう!