HPVワクチンのキャッチアップによる接種が少しだけ延長になりました!
こんにちは。
アクキッズクリニック市川院です。
厚生労働省は、HPVワクチンのキャッチアップ期間(公費で接種可能な期間)を条件付きで延長するとの方針を固めました。
今回はこのキャッチアップ延長について詳しくご説明します。
対象者や注意事項もありますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそもHPVワクチンってなに?
HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンです。
HPVは女性の多くが “一生に一度は感染する”といわれるウイルスです。
感染しても、ほとんどの人ではウイルスが自然に消えますが、 一部の人でがんになってしまうことがあります。
HPVは性交渉などによって感染し、子宮頸がんをはじめ、様々な種類のがんや尖圭コンジローマなど、多くの病気の発症の原因となるウイルスです。
HPVワクチンを接種することで、これらの病気のリスクを大幅に減らすことができる、非常に有効なワクチンです。
日本では、子宮頸がんの罹患者は年間約1万人、それによる死亡者は約3,000人になるなど、重大な疾患となっています。
キャッチアップ接種とは?
キャッチアップ接種(制度)とは、過去に様々な理由でワクチンの接種機会を逃した人が、再度接種する機会を得るための制度です。
HPVワクチンは、本来であれば小学校6年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象となり公費(自己負担なし)で接種することができます。
しかし、過去にHPVワクチン接種の積極的な推奨が一時的に差し控えられていた時期がありました。
この時期に定期接種の対象だった方々の中には接種機会を逃した方もいるため、対象者には公費で接種できる機会が提供されていました。
<対象>
平成9年度 ~ 平成19年度生まれ
(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、
過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方
キャッチアップ接種の経過措置について
先述した内容で、今年の夏からキャッチアップ接種が2025年3月31日までの期間限定で実施されています。
しかし、このキャッチアップ制度によりHPVワクチンの需要が大幅に増加した影響で、ワクチンの供給が不足し、限定出荷という事態になってしまいました。
そのため、2025年3月31日までにキャッチアップ接種を完了できない方が多数出てしまうことが懸念されています。
そこで、国はキャッチアップ接種の経過措置を検討し、
2025年4月1日以降も一定の条件を満たせば、引き続き公費でHPVワクチンを接種できるよう、制度を改正することになりました。
具体的には、2025年3月31日までに1回でもHPVワクチンを接種していれば、その後も公費で接種を継続できます。
経過措置の対象となる方
経過措置の対象となるのは、以下の条件をすべて満たす方です。
- 平成9年4月2日から平成20年4月1日までの間に生まれた女性
- 2025年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種している
対象者は、本来は令和7年3月31日までの接種期限が、令和8年3月31日まで延長されます
予診票の発送について(市川市)
令和6年度に中学生となる方には夏頃に発送予定です。
※接種日時点で市川市に住民票登録のない方は予診票を使用できません。
※厚生労働省より、標準的な接種年齢は中学1年生の間としていますので、市川市では中学1年生以上を個別発送の対象としています。
ただし、定期接種の対象年齢は12〜16歳となっています。
前倒しでの発送や、予診票の紛失などによる再発行をご希望の場合は、市川市保健センター疾病予防課(047-377-4512)へご連絡ください。
経過措置を受けるための注意点
経過措置を受けるためには、2025年3月31日までに少なくとも1回のHPVワクチン接種を受ける必要があります。
まだ1回も接種していない方は、早めに医療機関に相談し、接種を検討しましょう。
接種を迷っている方へ
HPVワクチンは、子宮頸がんをはじめとする様々な病気を予防するための、安全で有効なワクチンです。
接種による副反応が心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、重篤な副反応は非常にまれであり、ほとんどの場合、軽微な症状で済みます。
接種を受けるかどうか迷っている方は、ぜひ一度、かかりつけ医にご相談ください。
最後に
HPVワクチンのキャッチアップ接種は、子宮頸がんなどのリスクを減らすための貴重な機会です。
経過措置により接種期限が延長されましたので、対象の方はぜひこの機会を逃さず、接種をご検討ください。
当院では、HPVワクチン「シルガード9」の接種を行っております。
ご予約やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考資料